| 【優秀賞受賞】 | ◎ 民芸品◎ | |
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河内の里は、白山麓の中腹にある。こつら細工は、山の恵みである自生の木を使い、昔は生活の道具として作られ続けてきた。一編みずつ手作業で作られる味わいがあたたかい、稀少な民芸品だ。
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こつら細工は山里の暮らしぶりを伝える民芸品。昔は白山麓一帯の家々で、生活に必要な道具として手作りされていた。今では白山市河内町でしか作られておらず、その技術も消えつつある。 現在、男女合わせて十名余が教室形式でこつら細工づくりを行っている。月に1回は集まり、難しいところを名人に習ったり情報交換を行っている。女性メンバーの多くは、体験から興味を持って本格的に習い始めた方たち。一般開放の体験講座は毎年行われていて、小さな花びん敷きなら2〜3時間で可能。 昔は「ソーケ」と呼ばれるザルや、「オボケ」と呼ばれるカゴが主だった。オボケとは苧桶で、麻を紡いで入れるのに使われたための呼び方。そこから引っ張り出して撚りをかけたのだそう。 菜っ葉の水切り用の丸ソーケは、金属系のザルに比べて水切れが格段によい。金属ザルだと水が膜になって逃げないが、これだと膜にならないため。 他にも、花立てやランプシェード、パン篭やお買いものカゴなど、「注文があれば、いろんなもの作りますよ」。 「こつら」とはマタタビの異称。猫もこつら細工が好きですかと聞くと、「街の猫なら寄ってくるな」とのこと。この辺りの猫は、生えている木が身近にあるからさほどでもないらしい。 材料の枝は、山に入って自生のこつらを取ってきて、4つ割に裂く。蔓状の長い枝を同じ太さに裂くにはベテランの技が要る。次にゆでて皮を剥ぎ、芯もこそぎ取る。準備だけでも手間がかかる。編む直前にも一本一本刃でしごき、表面をツルツルにする。 上品な印象が漂うこつら細工は、使っているうちにツヤが出て、ますます良い色になる。素朴な中にも風格がある。 「あんまり反響があっても、作るのが追いつかないんですよ」。それこそが、スローな暮らしを守り伝えてきた貴重な技の証だ。 |
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